WENさんのblog

Twitterでは伝えきれないことを書きます。閲覧は自己責任でお願いします。

夢の話

 

最近、一人の男の夢を見る

罪を背負い、夢を追い、その果てに総てを知った男の話

何日もその道を見せられ、それが何なのかを知ったある日、その男と夢で対面した

血のシミが着いたシャツ

それは返り血のようで、服の内側から着いたシミのようにも見えた

黒いズボン

所々擦り切れて、穴が空いたボロボロなズボン

真っ白な髪

中途半端に伸びたその髪は、暗闇の中でも光って見えた

顔を見て、ああ、やっぱりか、と思う

やはり、『知っているけど、まだ知らない』男だった

鋭い目つき

そこからは明らかな敵意を感じた

「やはり、果てに見る相手はお前、なんだな」

男は口を開く

悪かったな、そっちだって毎日どうでもいいものみせてんじゃねぇよ

「いずれ至る道だとしても?」

そうだ、そうなんだ

夢を見て、その過程で全て失って、1人になっても諦めず突き進み、叶えた夢は、叶えたかった理想とは全く違うもので、そしてアイツにも会えず、死ぬことも許されずにここに立っている

そうだ、この男は、俺なのだ

近い将来、至る自分

その可能性のひとつ

「借り物の夢、理想、想い・・・それを突き通して、お前もこうなる。誰も救われず、誰も喜びやしない。全てを失い、誰一人残らない」

彼はそう嗤う

それでも、進むさ

結局、それしか道はない

それに、見せてくれた道と、俺の歩いてきた道には、明確な違いがあった

『誰も救えなかった』お前の道

『誰かは救えた』俺の道

小さいけれど、確かな差がそこにはある

「辛い道を歩くぞ?」

生きてれば辛いこともある

「地獄を見ることになるとしても進むか?」

地獄なら、最初に見たじゃねぇか

あいつのいない世界

既に地獄みたいなものじゃないか

 

やがて至るかもしれない道だとしても

後悔なんてしない

笑って生きると決めたのだから