WENさんのblog

Twitterでは伝えきれないことを書きます。閲覧は自己責任でお願いします。

『あなたはおかしい』

そう言われたのは、中学一年の冬だった

 

小学校からいじめを受けていたある女の子が復讐を決意した日

 

俺はその子の復讐の機会を奪った

 

いつも通り体育館裏に集まっていたそいつらを

 

俺は襲撃した

 

技術室から持ってきた金槌で武装した彼女がそこに来た時には全滅していた

 

『何故こんなことをしたのか』

 

彼女は泣いていた

 

そうだ

 

こんなこと、なんだよ

 

所詮復讐なんてこんなことなんだよ

 

俺も同じだった

 

幼稚園3年間

 

小学6年間

 

計9年間

 

ずっといじめられていたから

 

それを中学一年の夏くらいに全部復讐が終わって

 

何にもスッキリしなかった

 

人を殴る痛み

 

自分の中の何か大切なものが欠落した感覚

 

きっと、越えちゃいけなかった一線を踏み越えた

 

あの9年間が報われるわけじゃない

 

ただ、『嫌な感覚』が増えただけだった

 

同じ痛みを背負う必要なんてない

 

誰かが背負わなければならないなら

 

すでに背負ってる者が背負えばいい

 

でもそんなこと言ったところで多分理解できない

 

その機会すらたった今失われたのだから

 

『人の復讐なんて見たくないから代わりにやった』

 

と簡潔に説明した時の彼女は

 

あの言葉を口にしたのだ

 

中学を卒業してから連絡を取ることも無かった

 

噂で聞いた話では、レベルの低い高校に行ってギャルになった

とか

男と一緒にいるところを見た

なんて話ばかり

 

まぁ、元気ならいいんだけどね

変化なし

人間は万能ではなく

 

全てを救うことなんてできない

 

無力さを感じる度

 

全て壊したくなる

 

こんな気持ちになるから

 

誰も救わないと決めていたはずなのに

 

誰よりも押し込めた声を聞いて

 

黒い壁に黒いスプレーで書かれた『助けて』の文字を

 

二つ返事で受け入れてしまう

 

頼られないことを知っている

 

呼ばれないことを知っている

 

報われないことを知っている

 

救い切れないことも知っている

 

何も出来ないってわかっている

 

でも

 

それが『何もしなくていい理由にはならない』ことを俺は知ってしまっているから

無駄と知っていても身体は動く

心はぶれない

人は簡単に変われないことを

誰よりも理解しているから

 

あとは踏み出すだ

嫌悪

他人の名前

匿名

他人の顔

仮面を被らなきゃ何にも出来ねぇ腐りきった連中が

この世の中には結構居て

それを見て見ぬふりするやつも

一緒になって騒いでるやつも

視界に入るその全てを排除したいけど

潰しても潰しても湧いてくるから正直ゴキブリだと思ってる

 

個人のチャット欄とかプライベート性があるものを勝手に晒しあげて悦に浸る

暴言がコミュニケーションだと思い込んだ

人付き合いの距離感すらわからないガキも虫唾が走る

 

金と自分のことしか考えらんねぇやつなんかもう生きてる価値すらねぇ

 

そして何より一番嫌いなのは

なにも出来ねぇ

なにもしねぇくせに

それらしい事言って

優しいだの

いい人だの言われてる

自分自身

伝えたいことをただ書く

『あのころは良かった』

そんな言葉で飲む酒は

思ったより美味しくなかった

『これからやること』

『これからやりたいこと』

その言葉で飲んだ方が

酒はめちゃくちゃ美味かった

過去は過去

これからの未来

いくらでも変えられるこの先

そっちの方が大事に決まってる

 

綺麗なものは綺麗なんだから仕方ねぇ

それを作り出したのが

未成年だろうが

無名だろうが

マイナーでも関係ねぇ

メジャーなものほど俺には刺さらねぇ

モナ・リザ

ピカソの何か?

刺さらねぇよ

好きな物愛せよ

 

死ぬのは怖いよ

でもいつか誰にでも来るものなんだから

お前にも、あの子にも、嫌いな奴らにも、好きなやつらにも

もちろん俺にも

じゃあ、怖がるだけじゃなくて

ちゃんと生きて

ちゃんと死にたい

そして先に逝った奴らに自慢したい

『俺の人生は楽しかったぞ』って

 

似合う服より着たい服

会社の部下や上司より仲のいい友人

やらなきゃいけないことよりやりたいこと

大人になったら、なるべくそっちを優先して生きろよ

いろいろ言われる生き方だけど

最終的に自分が笑って幸せで『こうしてよかった』って思えるなら絶対その方がいいに決まってる

 

そもそもいろいろ人の生き方に意見や文句言ってくるやついるけど、所詮そいつらは『外野』

もちろん、聞いた方がいいものも含まれるけど忘れるな

それはお前の人生だ

主役はお前だろ

他人の意見に振り回されてばっかいるんじゃねぇって話

 

リツイートすればお金が手に入るかも』

そう思って昔俺もリツイートしたっけな

でも俺はある日を境にやめた

気付いた

『金に汚い大人共がばら撒く金じゃ俺は満たされない』ってことを

自分で稼いだ金で食う飯の方がよっぽど満たされる

 

本当は昔の偉人の言葉なんて興味ねぇ

本当は今を生きる人達がポロッと出したかっけぇ言葉座右の銘にしてぇ

でも今を生きる人達は

我慢・諦め・沈黙が大人になることって思って

素直な気持ちを口にしねぇ

ちょっとは周りなんて気にしないで

素直な気持ち発言してみろよ

『自分で考えて自分で行動する』

それが大人ってものだろ

 

どっかのYouTuberが言ったっけな

『学校にいるヤツらみんなロボットみたいに見えた』

俺も小学生の頃思ったさ

同じことを思った

でも、行き着いた答えは違ったな

そんなロボット達の本当の顔が見たいって思った

ロボット達の大反乱が見たいって思った

俺みたいなのが居たら、君も少しは変わってたのかもね

 

やりたいことやって

着たいものを着て

好きは好きで

愛することを忘れずに

そんな生き方

それが俺の生き方

葬式の形

先日、親戚のおじさんの葬式に行った

 

2月のまだ冬の冷え込みが残る某日の福島

 

どうしてこの一族は揃いも揃って寒い時期に亡くなるのか

 

なんて話を車で母としながら葬儀に直行する

 

鬱と癌

 

この二つの病気を抱え

 

それでも余命宣告よりは長く生きた

 

人と話すことの楽しさ・大切さ

 

それを俺に教えてくれたおじちゃん

 

亡くなったと聞いても涙は出なかった

 

悲しかった

 

もっといっぱい話したかったし

 

もっといっぱい教えて欲しかった

 

コロナ禍じゃなければと

 

何より悔しかった

 

成人してから一度も一緒に酒を飲めなかった

 

『また約束、守れなかった』

 

一緒に酒を飲もう

 

なんて簡単な約束が

 

いつも何故か守れずにいる

 

本当はそれこそ、こういう状況だ、行くべきでは無いのだろう

 

でも、『行かない訳にはいかなかった』

 

行かなかったら絶対後悔するってわかっていたから

 

葬儀会場に着くと、検温・消毒

 

その最中に、おじちゃんの娘の中の末っ子が走りよってきた

 

俺と同じ歳の彼女

 

久々に会ったが、とても明るくなって、とても綺麗になっていた

 

ある意味で『お互いを知り尽くした唯一の女の子』は、意外にも結婚していた

 

だからこその性格の変化、か

 

約10年

 

変わらない方がおかしいか?

 

まぁ、外見は変わらなかったが

 

その10年を埋めるように、俺たちは色んな話をした

 

『お父さんは奥にいるよ』

 

話も一段落したところで、そう言われ案内された部屋の奥に木の棺

 

小窓を開けると、やせ細った顔が見えた

 

『会いに来たよ』

 

その顔を見て、無意識にその言葉が出た

 

『美味い日本酒、教えてくれんだろ?』

 

いつかした約束

 

『いつか夢で教えてくれよ』

 

もう飲んじゃったかもしれないけど

 

その後、親戚全員と久々の会話をして

 

葬儀が始まった

 

葬儀後、火葬場に向かうバスの中で何故かは知らんけど、おじちゃんの長女次女の子供たちスマブラ勝負を挑まれ

 

4試合くらいボコボコにし終わった時にちょうど火葬場に着いた

 

焼いてる間、用意されたお弁当を食べることに

 

普通は、たぶんここで厳かな空気であまり会話もなく食べるんだろう

 

でも俺たちの『葬式の形』はここから違う

 

バカ騒ぎである

 

遺影の前にも酒を置き

 

バカ笑いしながら酒を飲む

 

何年経ってもこれだけは変わらない

 

この一族に生まれた男子は

 

誰に言われた訳でもないのに

 

みんなこうなのだ

 

『葬式で親戚が集まって目の前に酒があったなら宴会』になるのだ

 

死んだおじちゃんもそうだった

 

誰よりも笑って

 

誰よりも騒いで

 

誰よりも飲んだ

 

そんな彼の葬式だ

 

なおのこと、泣いて悲しんで厳かな空気で送り出す?

 

そんなのありえない

 

最期くらい

 

あの人が一番好きだった空気で送り出す

 

この先いくらだってこういうことがあるだろう

 

でも俺たちはいくらだって変わらずやるだろう

 

これが俺たちの葬式の形

 

その日の酒は

 

ちょっぴり塩味が強く感じる

 

いつもと違う特別な酒になる

唄と歌と詩

 

唄に生きてきた

唄で生きてきた

喜びのたびに音を作り

悲しみのたびに詞を綴った

やがてそれは唄となり響いた

誰の耳にも入らない

独りよがりで

幼い唄

唄は人生

 

下手なことは知っていた

でも上手くなろうとは思わなかった

誰に聴かせる気もなかったから

それでも

自分のためだけに歌った

それだけを突き通してきた

歌っている時だけ、生きている実感があった

歌っている時だけ、この世に存在していると感じられた

歌は存在

 

詩だけが唯一自分の気持ちを伝える手段だった

気持ちを

本当の感情を

表に出せるたった一つの方法だったんだ

詩は感情

 

唄に生き

歌に溺れ

詩に死ぬ

誰に何言われようが

誰に笑われようが

そんなことは関係ない

音で暴れろ

音を楽しめ

負けず嫌い

 

誰にも負けないこと

屈しないこと

それが強さ

それが全て

どんなときでも負けたヤツが悪にされるのだと

弱いヤツは生きていても仕方ないのだと

だから誰にも負けたくなかった

得意なことに関しては

負けないように生きてきた

 

けど、ある日気付いた

前提が間違っていることに

『誰かに勝つことは、強さでは無い』ということ

負けたくないんだったら

誰かに勝つだけでいいなら

弱いやつとだけ戦ってればいい

 

誰に勝とうが

誰に負けようが

そんなことは関係ねぇ

大切なのは、自分に負けないこと

誰かに勝つより遥かに難しく

誰かに負けるより遥かに悔しい

 

だから、誰に負けたって構わない

俺は

俺にだけは負けたくない