暑さと気だるさが起こしに来た
重い頭を上げ感じる
今年も夏が来た
リンは夏が好きだった
夏祭り、かき氷、花火、風鈴、蚊取り線香の匂い、夏の大三角、そして誕生日・・・
あいつが好きなものは、全部この季節にある
夏になる度に、今年は織姫と彦星は会えたのだろうか、なんて話をしてた
夏の夜は必ず会おう、なんて約束もした
一方的にしてきたくせに、自分が破るなよ
夏の音・・・花火の音、サンダルの音、虫の音さえ、リンを思い出す
この季節はダメになったな
お前しか、思い出せない
それしか、感じない
考えられない
今年で、10年目の『独りの夏の夜』
今年も・・・織姫と彦星は会えるのだろうか?